
本記事では、リセッションとは何か?について解説していきたいと思います。
目次
はじめに
本記事では、詳しくは以下のポイントについて解説します。
ポイント
- リセッションとは何か?
- リセッションによる株式市場への影響は?
これら2点について簡単に説明します。
リセッションとは何か?
リセッションの定義
リセッションの定義は以下のとおりです。
定義
・リセッションとは、景気後退局面のこと。
景気後退局面という意味ですが、まずその言葉の背景を説明します。
経済活動では「景気」というものがあります。
「景気が良い」、「景気が悪い」なんて言われ方をしますが、
正式には、「拡張期」と「後退期」が数年を一周期として交互に繰り返される景気循環があります。
拡張期に景気が拡大しピークにいたり、そこから反転し、景気が縮小し底まで落ちる過程をリセッションと呼んでいます。
一般的には不況と言われる状態です。
また日本では、内閣府が毎月公表している景気動向指数(DI)の値が景気拡張局面では50%を上回り、景気後退局面(リセッション)では50%を下回る傾向があるようです。
リセッションの原因(なぜ起こるのか)
リセッションの主な原因(なぜ起こるのか)は以下のとおりです。
原因
・特定の国(主に米国)や地域で経済崩壊が起こり、それが他国の経済へ悪影響を及ぼすことによるもの
・原油の供給懸念によるもの
現在は新型コロナウイルスの影響により、特定の国の経済崩壊というよりは、世界的に経済が停滞している傾向にあります。
また、2022年2月以降でいうと、ロシア・ウクライナ情勢悪化によるロシアからの原油供給懸念が発生しており、原油価格も高騰していることからリセッション懸念を唱える人も多くなっています。
リセッション時の経済状況の変化について
次に具体的にリセッション時にどのような変化が起きるのかについて説明します。
それは以下のとおりです。
変化⑴
■経済崩壊によるリセッションの悪の連鎖
①住宅市場の崩壊(不況により高価なモノに対する消費者の買い渋り)
②金利収入減による金融機関のデフォルトリスク(投資した債券について元本の払い戻しや利子の支払いが滞ったりする可能性)による企業への新たな資金の貸し渋り
③融資を受けれない企業の設備投資の減少(成長鈍化)
④収益圧迫による従業員の解雇
⑤給与減少による消費の縮小
変化⑵
■原油の供給懸念によるもの
①原油価格の高騰
②各企業の原油確保への費用増加
③企業の収益圧迫
④収益圧迫による従業員の解雇
⑤給与減少による消費の縮小
④以降は両者同じですが、上記のように結果的には企業の収益圧迫に繋がり、そこから従業員の給与、消費への悪影響が連鎖的に起こるのがリセッション時の特徴であり、これが不況になる所以です。
リセッションによる株式市場への影響は?
株式市場で起こること
リセッション時に株式市場では以下のことが起こると言われています。
株式市場への影響
・企業の収益悪化による下方修正懸念(減配、無配含む)による株価の下落
・消費財や公益株(公衆の日常生活に不可欠な公共サービスを提供する銘柄)といった景気の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄への資金流入
前項で申し上げたとおり、リセッション時は多くの企業が収益悪化し、前期比減収減益や下方修正しざるを得ない状況となり、それに伴い株価も下落する傾向にあります。
一方で、そんな中でも生活に欠かせない製品、サービスを提供する企業は継続して一定量の収益は上げられることからそういった銘柄へ資金流入するようになります。
また、そのような状況下においてもキャッシュフローが悪化せずに増収増益となっている企業や、増配する企業への資金流入も当然起こります。
その他、債権や金などの安全資産への資金流入、金以外の商品(コモディティ)は資源需要の後退懸念により価格が下落する傾向にあります。
リセッション時の株式市場での投資戦略
リセッション時の投資戦略としては以下が有効であると考えます。
株式市場への影響
・ディフェンシブ銘柄の買い
・高配当銘柄の買い
・減収減益懸念のある貸借銘柄の空売り
・株価が底打ちするまで静観し底打ち後に買い(休むも相場)
株式市場で起こることに繋がる立ち回り方になりますが、逆に言えることとして、くれぐれも金融相場時(金融緩和やカネ余りを背景に上昇する相場)から考え方を変えずにグロース(成長株)へ引き続き買いで攻めることだけは避けるべきだと考えます。
始めの方に申し上げましたが、前提として景気は「拡張期」と「後退期」を繰り返します。
その前提から、一旦下げるのを待ってから買い始めることで高確率で将来(次の好況期)の値上がりを取ることができるため、焦らず冷静にポジションを取ることをお勧めします。
リセッション時においては、儲けるよりも守ることを重視することで、後の資産増に大きな影響を与えると考えます。
ディフェンシブ銘柄ご紹介
それでは参考にディフェンシブ銘柄を5セクターご紹介します。
ディフェンシブ銘柄一覧
■電力関連銘柄
・9501 東京電力
・9503 関西電力 等
■ガス関連銘柄
・9531 東京ガス
・9532 大阪ガス 等
■鉄道関連銘柄
・9020 JR東日本
・9021 JR西日本
・9022 JR東海 等
■製薬関連銘柄
・4502 武田薬品工業
・4507 塩野義製薬
・5468 第一三共 等
■食品関連銘柄
・2802 味の素
・2267 ヤクルト
・1333 マルハニチロ
・2811 カゴメ 等
リセッション時にこれらの銘柄が必ずしも値上がりすると言っている訳ではありませんので、
あくまで参考程度に留めて、自己判断で売買いただきますようにお願いします。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
新型コロナウイルスの蔓延、そしてロシア・ウクライナ情勢の悪化が生じてから、リセッション懸念を唱える人が増えてきているように思うので記事にしてみました。
リセッション自体はいつ起こるかは不明ではあるものの、近い将来起きる前提で立ち回るのか否かによって、資産の増減も大きく変わってくると思います。
今年は厳しい相場が続いておりますが、より資産減とならないようにするために今一度これらの内容を念頭に自身のポジションを見直してみてはいかがでしょうか。
少しでも参考になれば幸いです。
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今回もご覧いただきまして、ありがとうございました。